泉の隣で歩く男。 その男は泉が持っていた自転車を持つと、泉をさりげなく自分の近くに歩かせていた。 ………… 楽しそうに会話する二人は。 俺といるよりも“恋人”っぽくて。 ああ。 俺。 一人で浮かれてたんだと。 そう、思ったら泉が返事してこなかったことも合点がいって。 俺は泉に声をかけることなくその場から逃げ出したんだ。