泉は自転車でいつも通学してるから、今日はタクシーで行こう。


多分、着く頃にちょうどいいはず。
俺はタクシーを捕まえて学校へと向かった。


学校から少し離れた場所でおろしてもらうと、俺は学校まで歩いた。


泉に会える嬉しさから胸が弾んだ。


万里さんがいなくなった穴をきっと。
泉が埋めてくれる。


校門からはちらほら生徒が出てきている。
きっと、泉もその内来るはず。


俺は逸る胸を押さえるのにいっぱいいっぱいで。


放課後になったのに、俺に連絡を寄越さない泉を不思議に思ったりもしなくって。


驚かせたいから、俺も連絡しなくって。




だから。

見てしまったんだ。