まさか。
そんな、まさか。
泉って呟くとか、あり得ない。


昨日、あんなことがあったからだ。



………


俺は放心状態のまま、そこに座り込んだ。



泉のことを、俺の中に入れてはいけない。


脳からの危険信号を感じとった俺は、目を閉じて泉を忘れることを心に誓った。


俺は、誰も信じない。
誰も信じてない。


信じられるのは俺だけだ。



ぐっと拳を握りしめた。


自分がわからなくなる感覚に恐怖を覚えた。



やっぱり。
俺は泉に会ったらいけない。


俺はバラバラの携帯をポケットから取り出して、握りしめた。
クローゼットにあるケースから万札を数枚持って、俺は外に飛び出した。



今すぐ携帯、変えるんだ。