「無理っ!本当に無理!」


誰が聞いてるわけでもない独り言をでかい声で叩きながら、俺はベッドに体を投げ出した。


……


こんなに心がぐちゃぐちゃなのは、きっと疲れてるからだ。
そう、思い込んで俺は瞼を閉じた。


…………


浮かぶのは。


泉の言葉。


“友達になろ?”


俺が一緒にいて何をしてあげたというんだ。
恋人として会った時は、いつものようにレンタル彼氏になりきる予定だった。


だけど、泉といると何か調子が狂う。
本音知ってる客なんかいなかったから、やりずらい。


…寝れない。
どーしたら眠れんだ?


酒、に頼るか。


ルームサービスで、ワインを一本注文した。
それはすぐに届けられて、テーブルに置かれた。


俺はワイングラスに並々注いで、一気に飲んだ。