愛しい彼女との大事な時間は、汚い人間に奪われた。


人目を惹くこの姿が仇となった。

後悔しても、時は遅い。

もう君に逢えない。
触れる事も叶わない。

幾年月も同じ季節、同じ様に求め合った僕ら。

胸を引き裂かれる様な悲しみ。

捕らわれた檻の中で、泣いても叫んでも救いはない。


扉が開き、振り返る。
僕の身体に激痛が走る。


遠くなる意識の中で、君の事だけを考えていた。

逢いたい。触れたい。感じたい。

徐々に身体が麻痺していく。
思考回路も狂ってゆく。

近づいてくる死への足音。


今生の最期は君の側で。
朽ちるのならば、君の横で。

できることなら、永遠に。
君と共に。
ずっと一緒に……。

僕は切実に願った。