これで何度目の転生になるだろう。
彼女に逢うためだけに何度も生まれ変わり、現世に出てきた。
やっと僕は大人になり、彼女の綺麗な姿に見合う美しさを手に入れた。
大人になったばかりの身体は少し不自由で、全身を動かす度にビクリと痙攣する。
『早く君の元へ飛んで行きたい』
濡れた身体が乾くのが待ち遠しい。
愛しくてたまらない君。
今年も僕を待っていてくれるだろうか。
決して結ばれる事のない禁じられた関係。
それでも欲しいのは、彼女だけ。
愛情のない女と子を成すのも、また生まれ変わって彼女に逢うため。
風が吹くと、微かに香る彼女の匂い。
逢いたくて逢いたくて、たまらない。
どこにいても君の居る場所は、すぐに分かるから。
今、逢いに行くよ。
勢いよく手足を伸ばし、彼女に向かって駆け出した。