やっぱり。

心のどこかでそんな気がしてた。

「・・・誠也、何でだよ。」

慶介が、今までに見たことのない

悔しそうな顔で言っていた。

「慶介、帰ろ?」

私は冷静でいられた、と思う。

本当は泣きそうになったけど、

慶介が泣きそうなのに、

私まで泣いちゃったら

誠也のお母さんに迷惑がかかるから。

「誠也の母さんありがと。おじゃましました。」

「ありがとうございます。じゃあ、」

帰る途中、バイクに乗りながら二人で泣いた。

「送ってくれてありがとう」

それだけ言って、慶介と別れた。

そして家でも泣いて、

泣いて

泣いて。

「誠也のばかぁぁぁぁぁぁぁ」

死ぬなよ。

信じてたのに。

行方不明になったあの日から。