『ピーンポーン』

慶介がインターホンを押す。

「はーい」

誠也のお母さんの声。

「あ、こんにちわ。落合(おちあい)です。」

「落合・・・慶介君?」

「は、はい!」

「いらっしゃい、入って、入って。」

ドアが開いて、誠也のお母さんが出てきた。

「あ、こんにちわ。」

「あら、綾香ちゃんも来てくれたの?」

誠也のお母さんは穏やかに笑って言った。

誠也のお母さんの笑顔は、誠也そっくり。

「おじゃまします。」

私と慶介は家に入った。

「久しぶりね。綾香ちゃんは、この前会ったけど、

慶介君は、一年ぶりくらいかしら、ねぇ?」

「はい。久しぶりっスね」

家には沢山の誠也の写真が飾ってあった。

その中には3人で映っているものもあったし、

慶介と二人で映っている写真、家族写真・・・

誠也、誠也。戻ってきて。