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そんな事今まで一度だって言わなかったじゃない。

「ちょっと~なんでそんな簡単にカミングアウトしちゃうのよ。

 今まで何も言ってくれなかったくせに。」


「簡単?

 穂香ちゃんは簡単に俺がこんな事言えると思うの?」


一瞬黙って見つめあったあたし達、


「え、と、そうだよね、ごめん。」


折角宝君が言ってくれたのに、、


シュンとしたあたしに、


宝君は目を細めて、優しく囁いた。




「抱きしめてもいい?」



「あ、どうぞ。」


ドギマギして身を固くする。



フワッと宝君の腕があたしを包んで、


髪からミントの香りがした。


「ずっとこうしたかったんだ。」