「そっかばれちゃったのかぁ。


 もうちょっと黙っとこうと思ったのになあ。」


河原の土手に二人で炭酸飲みながら座っていた。


飲み口の穴の中で、炭酸がシュワシュワ唸って


その音があたしを苛立たせて


ジロッと宝君を睨む。



「そうすると、何かいいことあるんですか?勇者様?」



「姫はご立腹だね~。ちょっと怖いんですけど。」



「あたしが子どもだから言っても無駄って思ってるの?


 あたしの事なんか、お兄ちゃんの付録ぐらいしか思ってないもんね宝君は。」


暫く考えてから、言葉を選ぶように落ち着いた声で


宝君は言った。



「付録なんて思ってないよ。


 穂香ちゃんは子どもでもない。


 君は俺の初恋。世界で一番大切な女の子だよ。


 
 初めて健一の家で穂香ちゃんに会った時から、


 今までずーっと穂香ちゃんだけ 見てる。」