伯父さん夫妻は、俺を本当の子どものように良くしてくれた。


後で知ったが、紬はこの家に預けられていたのだという。


この穏やかな夫婦に子供のように可愛がられていたのだったら、


紬のあの性格の変わりようは当然なのだと思った。


紬を手放した夫婦が、俺に寂しさから援助をしたいという気持になったのかもし


れないが、俺にとっては、紛れもなくありがたいことなのだ。


穂香ちゃんといい、高校といい、俺と紬は不思議といろんな場面で繋がってい

る。

大学卒業後の進路については、伯父さんと散々話し合った。


一番ベストなのはおれがイギリスでドクタ-をすることだ。


でも、それは、俺の本意でなく


日本でドクタ-をやりたいのだと意志を告げていた。


俺の目標は日本でしか達成できないのだから。