「いつか、君を浚いに行くよ。」


その約束は、穂香ちゃんを縛ってしまった。


ただ、俺にとってはそれが目標となった。


誰かに依存したりされたりではなく、


俺が自立して、認められる人間になる。


胸を張って穂香ちゃんの前に立てる自分を必死に作り上げようとしていた。


UKで学ぶことは素晴らしいことばかりだったが、


日本の医療とは隔たりがあることは、学べば学ぶほど実感した。


卒業しても、日本の医療従事者にはなれない事も後になってから知った。


日本に戻るためには日本の大学の大学院で学ぶ必要があり、


国家資格に合格しても、2年間のインタ-ンをしなければならない。


いったいいつになったら、自分の力で稼げるようになるのか気が遠くなった。