俺の家も、このころから少しずつ変化を見せていた。


母親が帰らなくなった。


元々忙しい人だったけど、


それでも、夜勤以外の日は帰って俺と過していたのに、


帰らない日が増えてきたある日、


見知らぬ男と赤ん坊を連れて来て


「結婚する。」


と宣言したのだ。


俺の中で母親は不変のものだったから、


これにはかなりショックだったのに、


「幸せになってくれればそれでいいよ。」


と笑って背中を押してしまっていた。


そして、俺は決心した。