あたしは、黙ってコックリと頷いた。


「大切にするから、傍にいなかった10年分も、

 それ以上に大切にする。

 君がしあわせにしてくれるんだよね?」


あたしが黙って頷くと、そっと頬にキスをして。


「好きだよ。」


て、宝君が笑った。


心の中で霧が晴れるように幸せが胸に広がった。



それからちょっと時間をおいてから。




「ところで、今夜は穂香ちゃんの事抱きたいんだけど、


 いいんだよね?


 10年分の俺の想いは爆発寸前なんだけど。」


/////そ、それを今言うなんて!!!


「宝君の馬鹿!!」

背中を叩くと、

「いって~。」

とか呻いて


ハハハってわらう宝君は、昔っから知ってる宝君で


あたしは、これでよかったんだなって再確認した。