宝君はポケットから取り出した布の袋を私の手に握らせて。


「外してよ。そのかわりこれを穂香ちゃんにあげる。

 アフリカで作ったからオシャレじゃないけど、

 現地の工房で作ってもらった。」


それはシンプルだけど見た事もないくらい大きなダイヤが付いていて


「向こうで働いた給料全部。」


照れ臭そうに笑った。


「離れていたけどこの10年全部君と一緒にいる為だけに生きてきた。

 ホントだよ。

 二度と手放したくない。

 付けてくれる? 君の左の薬指に。

 結婚してください。」