「宝君?」


「ん、ただいま穂香ちゃん。」


「宝君、、、」


「会いたかった。」


「宝君、、、」


「うん。」


「遅いよ。」


「穂香ちゃん?」


「昨日だったら良かったのに。」


「え?」


「昨日だったら、宝君の胸に迷わず飛び込めたのに。」


あたしは、ぐいっと宝君の胸を押して


「あたしが、いつまでも待ってると思うの?」


右手を宝君の目の前に差し出して、


「遅すぎたんじゃない。」


薬指にダイヤの指輪が光っていた。