「紬君ごめんね、凄い待たせちゃって。

 マスタ-いつものカクテルちょうだい。」


「姫を待つのなら一生待つよ。」


「そんなことばっか言ってると勘違いしちゃうわよ?」


あたしと紬君は、行きつけのバ-で待ち合わせていた。


「勘違いしてほしいなあ、て言うか勘違いじゃないよ穂香ちゃん。」



「ふふ、彼女に振られたんでしょ。そんなときばっか呼び出すんだから。」



あたしと、紬君は、なんていうか、腐れ縁で高校卒業後も付き合いがある。


恋人になったことは無い。


身体の関係もない。


お互い時々会って飲んだり近況を報告する関係だ。


「彼女とは別れた。元々本気での付き合いじゃない。


 俺、やっぱり穂香ちゃんしか本気になれない。」


「それ、どう返していいか分からない?ジョ-クなら、、、」



「俺と結婚しない?」