「私達も行こう!」


私がそう言って後ろを振り返りながら歩き出したときだった。



ドンッ



思いっきりぶつかった。


「あっ、ごめんなさい!」

すぐに人だと分かって反射的に頭を下げる。

そして頭を上げると、
なんとなく見覚えのある男の子が立っていた。

「あ、大丈夫大丈夫。それよりコレ。落とした」

そう言って彼はトートバッグを渡した。

ピンク色の私のお気に入りのバッグだ。

「あ、ごめんなさい。ありがとう」

私はそれを抱えて礼を言う。

「どういたしまして。...じゃあ」

彼はそう言うと私の前を去っていった。