「何故、あなたは
先生に憑いてるんですか?」
嶋谷の問いに
春木もとい少女の霊は
答えようとしない。
平行線のまま
見つめ合う二人。
切り出したのは
嶋谷だった。
「沈黙は…、
あなたを
不利にするだけですよ?
分かりますよね?
霊のあなたになら。
僕があなたを一瞬で
先生から切り離す事が
出来る事ぐらい。
けれど、
切り離したところで
あなたはまた
先生に憑くつもり
なんでしょう?
それじゃ、僕が
困るんです。
だから早めに…。」
嶋谷が春木の顎を
手で、くいっと上げた。
近付く春木の耳元で
嶋谷は呟いた。
「口を割ってください。」