「何だよ?」



「いえ…。

霊が人に憑く時には

何か理由が必ず

あるんです。」



「そうなのか?

でも本当に思い当たる

事なんてないんだ。

その霊は

ここの生徒なんだよな?」


「はい、おそらく。」



「なら、何か

この学校に思い入れがあって

たまたま俺に憑いて

学校に居座ってるとか

そういうんじゃないのか?」



肩に少し重みを感じながら

春木は嶋谷に言った。



嶋谷も何か閃いたらしい。



春木の側まで来て

徐に手の平を彼の額に

当てた。



「急に何だよ?」



戸惑う春木である。