「お時間いただき

ありがとうございます。」


授業を終え、

嶋谷は生物室にいた。



目の前には

春木が座っている。




「いや、今日は暇だし。

何か悩み事か?」



「はい、実は…。」



そこまで言うと

嶋谷は黙りこんでしまった。



「どうした?」



「…やっぱり

今度、もう少し

自分の中で整理して

話します。」



そんな事を言うので

春木はますます

気になって仕方ない。



「嶋谷。

言って楽になるなら

先生、何でも聞くから。


何か困った事があるなら

言ってみろよ。」



そう言う春木を

嶋谷は暫く黙って

見つめた。