「嶋谷いいのか?」



手を挙げていたのは

嶋谷水城だった。



他の生徒たちも

皆、彼に注目していた。



「はい。

あ、でも

皆は僕でいいのかな?

いいなら

是非やらせていただき

たいと思います。」



そう嶋谷が言うと


拍手が沸き起こった。



「皆、お前にやって

ほしいそうだ。


一年間よろしく頼むよ。」


「はい。」



こうして学級委員は

嶋谷水城に決まった。



《誰もやりたがらない

学級委員なんて

面倒こと

引き受けるなんて…。


何ていい奴なんだ。》



春木は嶋谷の

思いがけない行動に

感心させられた。