私はとにかく走った。


わからないけど、
涙が出ていた。


着いたのは、階段。


そこで私は、できるだけ
息を殺して泣いていた。


「…っ…グスン」


今頃楽しんでるかな?
笑ってるのかな?


ズキズキ痛む
左手で胸を押さえる。


「ち…あき…っ」


泣きながら千秋の
名前を呼んだ。


「何?」


「え…っ!?」


後ろには、少し
息が乱れている千秋が
立っていたんだ。


「ったく…」


「ど…うして…」


あの子達と一緒に
行かなかったの?


行きたかったんじゃ
なかったの…?