私は必死に抵抗する。あいている腕で、先輩の腕を邪魔する。

なのに、袖は止まらない。
もう、1つ目の痣が見えた。

スルスル。スルスル。

私の運動着の袖は二の腕まで上げられた。

「コレを見られても、まだ隠してられんのか?」

…肩が震える。

見ないで。見ないで。

「こんなに痣があるのに、何でもねぇのか?」

腕の痣を見る。
とても言葉で隠し通せる数じゃなかった。