「…。」

口が開かない。
言葉が出てこない。
私はただ下を向いているだけ。

「…お前を、」

私が黙っていると、先輩が話始めた。

「お前をここまで運ぶために、俺はお前を抱き上げた。」

ポツリ。ポツリと先輩は言葉を発する。

「驚いた。…お前、まともに食ってねぇだろ。」

食べてないワケじゃない。
お昼は毎日食べてる。
学校の、周囲の人が心配するから。

「お前をベッドに寝かせた時。お前はうなされていた。」

先輩は私をジッと見ている。
私は先輩の目を見ることはできない。