色々な考えで重くなった頭を左右に振る


「…これ以上考えるのはよそう」


ふっと軽く息を吐いて、その場を離れようとしたとき…


「何に対して悩んでいるの?…平助」


「そ…うじ?」


中庭の前の廊下を通っていた沖田がいる


「いきなり居なくなるから…探しましたよ」


にっこりとした笑顔はいつもと変わらない…


変わらないのに、何故か自分にとっては居心地の悪い笑みだった


「俺を探しに来たのか?」


目を反らし、俺は地面を睨む


「ん?…まあ、それもありますけど……」


「けど、なんだよ?」


もったいぶって言わない沖田に自然と腹が立ってしまう


それほど、心が不安定…


沖田はしばらくためらっていたが


「平助」


短く名前を呼んだ


眉間に皺を寄せた藤堂は、沖田をみる


「僕は平助に忠告しに来ました」


「忠告……?」