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「なぁ土方さんよ…。あの伊東甲子太郎をどう見た?」


真剣な眼差しで詰め寄ってきたのは、永倉だ


「どうって……なんだよ、突然」


今、副長室では永倉を始め、沖田、斎藤、原田、山南が土方を囲んでいる


「僕は、なんだか一波乱やらかしそうな気がします」


普段の笑みを消し、鋭い目付きの沖田は言った


「…しかし、伊東さんはとても勉学に優れたお方だと聞いていますが?」



そのなかで1人だけ意見の違ったのは山南だ



「そんなこといってもよ…。俺達は勉学なんかに興味ねぇし…てかよ、山南さんは伊東と顔見知りなんだろ?どうにかなんねぇのか?」



詰め寄る原田に苦笑いで山南は答える



「顔見知りといっても、1度お会いしたきりですよ」



「へ~…そうなのか」



あまり納得のいかない原田は、今度は土方に問い詰める



「じゃあ、どうして伊東なんかみたいな奴を平助が連れてきたんだ?」



「…詳しいことは分からんが。平助と同門の伊東は、その道場の主だったらしい。んで近藤さんが以前会った際、なんだか伊東っていう人間に引き込まれたとか言ってたぜェ」



「それで新入隊士のクセに、意気がってんのか」



普段あまり見せない原田の苛立ちとともに、



それぞれの伊東に対する印象は、少しだけ異なっていた