「…っと。突然すみません」


ハニカム彼に、碧は苦笑いで頷く



「あの、何かあったんですか?」



「無ければ、あんなに追いかけ回されませんよ」



あ、そうかと碧は顔を赤くした



「……ふぅ、よかった。無事です」


――?


沖田は自分の袴の袖から、何か本を取り出す



「…何ですか、それ?」



首をかしげた碧を見て、沖田はくすくす笑った



「気になります?」



「はい、とても」




断言した碧と沖田は、しばしのにらめっこ…




――…っなにこれ!?恥ずかしい…




自分と沖田の顔の距離といったら、もう…




「これはですね…豊玉発句集です!」




満面の笑みな沖田




だが、碧には何のことかさっぱりだ




つまり、と沖田は付け加える



「土方さんが書いた俳句が、この帳面に納められているんです!」



「…土方さん、俳句がお得意なんですね」



「……………」



「……え、何か違うんですか?」



「……っぷ。あっははは!!!」



――え、どうして笑われてるのっ!?


意味も分からず、碧は真っ赤になりうつむいた