「それはっ…それは…「何もできない人が、他人のことを気にかけてどうなるんですか?」



――あぁ…。私は馬鹿だ



一瞬でもこの時代に…新撰組に必要とされたと思ってた



あぁ…。私には到底出来もしないのに…



過去に生きた彼らを幸せに導くなんて…………



「それがわかったのなら、簡単に私達に関わらないでください」



それだけ言うと、沖田は部屋から出ていった




碧の横を通り過ぎるときの、無念に当たる風



碧は泣きも叫びも出来なかった




ただ残されたのは




――沖田への気持ち




いつか伝えられるのかもわからない、気持ちだけ。




誰もいなくなった部屋は




ひどく広く見えた