3人の会話の邪魔をするのは、悪いと思い…



碧は沖田の部屋を後にした



ノートを手に持ち、中庭へと足を運ぶ

***

風通りの良い中庭に幸い、人の姿はない



「ふぅ…」




もうすぐ夏を迎える京の風は、生暖かい




ゆらゆらと風にそよぐ木々




見ているだけで癒された



「春日…」



不意にかけられた声



「は、はい!?」


驚きのあまり、声が裏返ってしまった




「何をそんなに驚くんだ…」




罰の悪そうに顔をしかめていたのは、斎藤だった




「すみません…。いきなり名前を呼ばれたので。で、何かご用ですか?」




「うむ…」




斎藤はそのまま、碧の隣に腰を下ろした