「あぁ、春日君…。ここに居てくれたか」



黒が立ち去ったのと入れ替わるようにして現れたのは




「…山崎さん」




黒装束を身に纏った山崎だった



どうやら急いで駆けつけたらしく、呼吸が乱れていた



「だ、大丈夫ですか!?」



体を支えようとした碧だが、山崎はそれを手で制した



「大丈夫だ…。俺は大丈夫なんだが池田屋が……」



「え?」



「池田屋では死人がでてしまった…」



碧はそれを聞くと咄嗟に駆けようとした




でも



「駄目だ、いかん!」



山崎が碧の前に立ちはだかった




碧は足を止めかけたが、再び駆けて行く



「春日君!!」


「山崎さん!…行かせて下さいっ!!」


そう言うと、碧は屯所を出た