「何回…なの?」



ごくり、と碧の喉が鳴った




「1回きり…よ」



「そ、そんなんじゃ皆を救えない!長生きさせたいの!!」



興奮した碧の声に、冷たい黒の声が重なる



「他人の人生を変えるのよ。下手したら彼らの生きた証は、全て消えてしまうかもしれない」



「黒…」



「碧。これは貴女が十分考えて書き込むことよ。運命を決めてしまうのは自分だということを忘れないで!」



「なんで…。なんで私なの?」



震えた碧の声




泣いているのだろうか




黒は碧に近づき囁いた




「貴女になら、彼らに希望と幸せを与えてくれると思ったからよ」



そう言うと、奥から物音がした


「誰か来たようね…」



逃げるように黒は部屋を出た