「ねぇ、どうして?…貴女がここに来た理由は?」



尚もする声…



だがそれが、黒の声だということがわかってきた



目を丸くした碧が尋ねる



「黒………あなた喋れるの?」



こくりと頷く姿はいかにも会話ができるようだ



驚きのあまり腰が抜けて立てない碧



そんな状況を知ってか知らずか…



黒は喋り続ける



「貴女はここに来る前、未来で自分に変えられない過去はないって思ってたんでしょ?」



「な、なんで知ってるの?」



ますます顔を青くして碧が驚く



猫なのに呆れ顔を見せた黒は言った



「貴女を未来から連れて来たのは、私だもの」



「えぇっ!?」



「その帳面、貸してちょうだい」



言うと、黒は碧の手元からノートを奪った