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6月5日 夜



一人、残された碧はノートを見つめていた



彼らの行く末…



それは彼女のこれからにも関わることになる



「はぁ…」



力ない自分のため息ばかりがでる



…と、不意に誰かの気配がした



――誰ッ!?


振り向くとそこには…



「にゃー」



「く…ろかぁ~! 驚かせないでよ…」


タイムスリップしたとき、最初に会った猫だった


そんな黒が今、碧の目の前にいる


ちょこんと座る姿は、猫好きならば可愛いと思える姿だろう



でも、碧は猫アレルギーだ…



なので触れはできず、しばしのにらめっこ状態



「ねぇ、どうして貴女はここに来たの?」


「!?」


自分と黒だけしかいないはずの部屋に、碧ではない声が響いた