「丹虎か池田屋か…。まるで場所が正反対だな」



ふっと鼻で笑った土方は、どうする、と近藤に目を向けた



しばらく目を閉じ考え込んだ近藤は、決心したように目を開く



「…二手に分かれよう。そうすればどちらに敵がいても逃がすことはあるまい」



「そうだな。人数編成はどうする?」


このとき、隊内で会合突入できるとされていたのは僅か24人



隊内での体調不良が目立ったためだ



「うむ…。本命と思われる丹虎には歳が大将としてついてもらう。人数は14人だ」



「承知」


「そして池田屋には俺が大将としてつく。人数は残りの10人だ」



これで全ての支度が整った



それぞれで席を外す幹部たち



碧は邪魔にならないよう…



しかし



せめての見送りだけでもと、玄関に来ていた



――どうかご無事で…



その夜は蒸し暑い日だった