時間は淡々と過ぎていく



碧が目をさました朝から、辺りは真っ暗に変貌していた



戦支度と同時進行で、新撰組幹部は会議を行っている



「失礼します」



お茶を運びにきた碧は障子を開く



だが皆、会議に夢中なようで…



誰も彼女に構うことはなかった



「古高の証言だと、奴らは今夜にでも作戦を実行するらしい」



土方の低く落ちついた声



周りも、まだ落ち着いてはいるようだ



「今夜…と言っても場所が特定できていない」


近藤の焦る声音だけが妙に目立って聞こえた



「場所は私たちのほうで絞り上げました」



淡々と話したのは、監察方隊士の山崎丞と島田魁だ



彼は戦うこと専門ではなく、敵の情報を集めること専門の隊士



山崎と島田は今夜行われるであろう、攘夷運動の会合場所を割り出していた




「考えられるであろう会合場所は…丹虎か池田屋」