「あ。戦とは言っても小規模の戦ですから」



碧を安心させようと言ったのだろうが、残念ながら彼女の耳には届いていない




…戦に大規模とか小規模なんてあるの!?



ぽかんと口を開けた碧の顔が、相当可笑しかったのか



沖田は加えて言った



「もちろん、春日さんは屯所待機ですよ?」



「あ、当たり前です!!」



楽しんでる……これもう、絶対に楽しんでる!!



初めて沖田の腹黒に気づいた碧は、少し呆れてしまった



そのとき



「総司。今から副長の部屋へ集まるように、とのお達しだ」



斎藤が姿を現した



「はい。承知しました」



明るい笑みを含んだまま、沖田は部屋から出て行こうとする



「あ、あの!」



大きな声を突然上げた碧は沖田に言った



「死なないでくださいね?」



一瞬キョトンとしていたが、言葉の意味を理解すると



「もちろんです」



と答えて行った



――このあと、彼は…彼らはどうなるんだっけ?



不意に思う、彼らの行く末



「あ!」



碧はあることに気づいた