「よし…っと」



着物の帯を結び終えた碧は、急ぎ広間へ向かう




久しぶりに起き上がったせいなのか、自分の体が重い




すると、何故か今日は新撰組隊内が騒がしかった




なんだか皆が落ち着かないかんじ…



――何かあったのかな?



***

「斎藤、悪いがいつもの部屋…開けといてくれ」



そう土方が命令する



「承知」



短く返事をした斎藤は、足早に広間から出ていった




その後ろ姿を目で追うようにして、沖田がぼんやり眺める




「土方さん…。最悪の場合は今日ですか?」



こちらを向かずに言う沖田の声は殺気に充ち溢れていた




だが土方はなにも返さず、じっと腕組みをしたまま目を閉じていた