「…っ」



ダメっ…駄目…っ!




今ここで泣いたら殺される




唇を噛む碧の異変に沖田が気づいた




「春日さん…。その帳面はなんですか?」





「え?」




呆れた顔つきで沖田が指さしていたものは




碧が未来にいたときにまとめた、新撰組のノートだ




「何処かの藩の密書ですか?」




「みっしょ…?」




碧は密書の意味がわからない




首をかしげる碧に沖田は、ますます呆れ顔になった




「…分からないのなら、密書ではありませんね。いいでしょう。とりあえず見せてください」



そう言って、沖田は碧の手からノートを取り上げた




「あ、ちょっと!」



碧は必死に取り上げようとしたが、彼は長身なため手が届かない




だが、沖田がそれを見てしまえば、彼は己の運命を知ることとなる


「沖田さんっ!駄目です!!」