ぐいぐいと引っ張られる腕は、かなり赤く腫れ上がっていた




痛みに耐え、私はとある場所に着く




その大きな門構えの柱に立て掛けてあった板をみると…



『会津藩御預かり 新撰組屯所』




とあった



「着きましたよ、春日さん」



そう声をかけられたが、沖田は尚も縄を緩めようとしなかった




「…沖田さん?」




恐る恐る聞いてみる…




でも、碧を引っ張って前を歩く沖田が振り向くことはなかった






――私、どうなるんだろう




不安に駈られる自分の心




やっぱり、歴史は変えられるものじゃないんだ





そう思うと涙が溢れてきた