「強い想いが重なれば重なるほどに……人は人を愛しく思うのよ」


「愛しい思い…」


――私は沖田さんが好き


ゆっくりと…


ゆっくりと碧は沖田へ歩みを始める


「碧」


まるで惹き寄せられるかのようにして…


碧は沖田へ抱きついた


「あなたのことは…僕が守ります……ですから、ですから」


――ずっと傍に居てほしい


耳を澄ませたその時…


「ゲホッゲホッゲホッ!!」


激しく咳き込み出して、彼はその場にうずくまる


「沖田さんっ!」

***

「……病状はあまり良くないですな」


このとき、沖田の病状は悪化を辿っていた


激しい咳、喀血、体力の減少、食欲不振


もう出会った頃の彼では無くなりつつある


静かに寝息をたてている彼は、軽く昏睡状態だった

***

伊東はその後、油小路にて斬殺された


新撰組は彼の亡骸を路地に放置し、御陵衞士隊士たちが亡骸を引き取りに来たところで、再び戦闘


元新撰組幹部 藤堂平助 死亡


後にこの事件は、油小路事件とされた


油小路事件はその後も、新撰組に長くつきまとうこととなる