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「今夜…ですか?」


まだ明けきらない空のした


碧は土方に呼び出されていた


あぁ、と短く答えた土方は直ぐにそっぽを向く


「お前はただ酌をするだけでいい」


「はっ、はい……あの…「余計なことは考えるな。下された命にだけ従えばいい」


土方の冷たい声音に、碧は小さくなる


怒られたわけではないが、なんだか気が沈むかんじ…


不快な心地のままに碧は空を見上げた


東の空に明るさが増していた

***

その夜――


碧は近藤の別宅に来ていた


今、別室には近藤と土方が伊東の到着を待っている


今か、今かと何処かしら落ち着かないのか…


先ほどから立ったり座ったりの繰り返しをしている


「失礼します…」


遠慮がちにふすま越しに声をかけると、碧は酒をいれた


「あぁ…すまんな、春日君」


あわあわとしていた近藤は足を止め、酒を受け取った


と、同時に…


「伊東甲子太郎が到着しました」


別の平隊士からの声がかけられる


ふうっと勢いよく息を吐くと、近藤と土方の目付きが変わった