***
その後、
新撰組の局長である近藤と、副長の土方は幕臣に取り立てられた
このときこの2人はやっと、武士として認められたのだ
その他の幹部も、同じように役職を賜った
***
「……というわけで、諸君!今後とも気を抜かずに隊務に当たってくれ!」
「おう!」
威勢のいい近藤の呼び掛けに、幹部を初めとした隊士が答える
でも、その中に沖田の姿はない
***
「ゴホッゴホッ…」
無理してでも隊務にあたらねばと…
思えば思うほど、体は言うことを聞かない
「くそっ……!なんでだよ…っ」
悔しさとやりきれない思いでいっぱいな手を、硬く拳にする
何度布団に拳をぶつけても、その跡は次第に消えていった
――どうして僕だけこんなことに…
ふと過る疑問に答えてくれる人なんて、いない
――僕は……死ぬまで……いや、
――死んでからも独りなんだ…
握りしめた拳をゆっくり開くと、乾いて滲んだ鮮血が広がっている
――この手のひらには…
――魂は宿っていないのか?
その後、
新撰組の局長である近藤と、副長の土方は幕臣に取り立てられた
このときこの2人はやっと、武士として認められたのだ
その他の幹部も、同じように役職を賜った
***
「……というわけで、諸君!今後とも気を抜かずに隊務に当たってくれ!」
「おう!」
威勢のいい近藤の呼び掛けに、幹部を初めとした隊士が答える
でも、その中に沖田の姿はない
***
「ゴホッゴホッ…」
無理してでも隊務にあたらねばと…
思えば思うほど、体は言うことを聞かない
「くそっ……!なんでだよ…っ」
悔しさとやりきれない思いでいっぱいな手を、硬く拳にする
何度布団に拳をぶつけても、その跡は次第に消えていった
――どうして僕だけこんなことに…
ふと過る疑問に答えてくれる人なんて、いない
――僕は……死ぬまで……いや、
――死んでからも独りなんだ…
握りしめた拳をゆっくり開くと、乾いて滲んだ鮮血が広がっている
――この手のひらには…
――魂は宿っていないのか?