「……そうか、労咳か」


別に暴れだすでもなく、土方は静かに言った


でも



今の彼の背中は、とても寂しくみえる



鬼の副長と呼ばれる土方歳三は、どこにも見えなかった



「俺もできるだけ診察には来るが…またいつ戦があるとも分からん」



「いや、来てくれるだけでも有り難いさ」



そのまま、松本と土方は部屋を出ていった



残された碧は、静かに眠る沖田をみる


「沖田さん…」


聞こえないくらいの声で、彼を起こさないように名を呼ぶ



すると


「大丈夫ですよ、春日さん」


「!?」


沖田はパッチリと目を開いていた


「目、覚めてらしたんですね」


「えぇ…先程からずっと」


恥ずかしそうに頬を赤めた沖田は、ムクッと起き上がる


碧は慌てて補助しようとしたが、沖田は手で制した


「……春日さん。あなたにお願いがあります」


「はい?」


首を傾げる碧に沖田は言った