「つかお前名前は?」




人の話聞けよ……。
あきれた目を向ける。

八王子に睨まれた。



「井上 雪兎」




私は正直に答えた。
山田花子って言おうかと思った。




「ふぅん……雪兎ね」



聞いといて何その返し。
イラついてくる。



「昨日逃げたのなんでだ?」



「決まってんじゃん



めんどくさいから」




真顔で返した。



八王子は


「フッ………気に入った」



「うぇ?」



謎な発言に変な言葉が出た。










「手に入れてやるよ雪兎?」


耳元で低く囁かれた。
私は固まった。


八王子は笑いながら
去っていった。