「1階か。」
階段をマッハで駆け下りる。もつれそうだ。
“あの日”
霙のちらつく中、道路にうずくまってた彼女がプレイバックする。
どっかで倒れてたりして。
そんな気までしてきて・・・
「・・・ハァ。」
立ち止まり真上のプレートを確認。
――ここかも知れない。
【保健室】のドアをノックした。
「どーぞ。」
中から、養護の槙先生の声が返ってきた。ちょっと緊張、何て聞こうか。ストレートに聞くか。
ソロッとドアを開けて覗き込むと、
「あら、珍しい人が来た。
どうしたの?」
やばい。恥ずかしくてまともに先生の顔が見れない。
「あの、ここに
沙・・・えと、小暮さん来てますか?」
「来てるわよ、あそこで休んでるけど、ぐっすり寝てるんじゃないかな。薬のんだから。」
「そ、ですか。」
はーっとため息が出た。
居た、という安心感とやっぱりという不安が入り混じる。
大丈夫なんだろうか。