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「・・・ね、なんでだと思う?
心当たりがないんだよ?」

話しているうちに興奮してきて今になってまた、ドキドキが激しくなる。



「あたしに言われても・・・
沙紀が忘れてる何かがあるんじゃないの?」


「ない、はずだよ。」


「ま、気に入られてることは確かだよね。いいじゃない?
彼氏にしちゃえば。」


「しちゃえばってそんなの無理に決まってるじゃない。」

「そうかな。」

「そうだよ、変な事言わないで。」


ありえないよ。だってあたし、まともに顔みれないんだから。
それに・・・・・





「おもしろいけど、立場的にはヤバイかな?」

「そーなの。
目立ちたくないのに・・・
呼び出しとかされるかなぁ。
勘弁してもらいたい。」


「・・・だよね。そっちのが心配になってくるよね。
危なそうになったらいつでも呼んで?
隣の教室なんだからさ、ね?」

「うん、ありがと。
やっぱり話してよかった。
少し落ち着いてきた。」



「そ?」といいながら、優奈はフェンスを掴んで体を反らせ、空を見上げた。
ゆるやかなカールが風に揺れる。
どんどん可愛くなってるのは、憧れの先輩がいるからなのか。




キーンコーンと正午を知らせる
チャイムが鳴り響いた――・・