のそっと立ち上がる佐々木くん。



「あの、オレ、美化委員やります。あと、」

言ったとたん、キャーあたしも~と女子が大騒ぎになる。
バカだ。麻衣子のヤツまで手を挙げてる。クラス委員なのに。


「沙紀チャン、苗字なんだっけ?」

「小暮、だけど。」


「そか、あと、」

と彼が声をあげるとシンとなる。






「小暮さんも。」



あたしも?

「え、あの、」

「嫌?他のにする?」

「や、いい。」


「そ?佐々木と小暮で決定でよろしく。」

なんで少しばかりウキウキ声なんでしょう。もう、どうでもいいです。
敵の勢力が倍増したのは確実ですから。




名前は知ってて、苗字知らなかったってどういう事なんだろうか。


HRが終了して、その挨拶終わりの最後の最後に、
さらに彼は言ったのだ。


「じゃ、またあとでね。
沙紀チャン。」・・・・と。

その瞬間、教室内すべてがシーーンとなった。泣きそうだった。
あたしの意思が全くそぐわないまま、怒涛の時間が過ぎ去った。


このクラスで1年間無事にすごせるんだろうか。


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