この場にカメラがないことが何よりも惜しかった。
もちろん、仮にあったとしてもこの会長が撮影許可を出すはずもなく。
仕方なく心のシャッターをバシバシ切っていると、会長がわたしの頭をくしゃりと撫でた。
傍目から見てもわかるくらい、嬉しそうに。
「か、会長ー…?」
「書記の言う通りだな」
「…そうですよ?」
「そうだな、お前は俺のものだな」
「………はい?」
疑問系ながらも一応肯定してみせた。
わたしには、なにを会長がそんなに嬉しそうにしているのかはわからなかったけど。
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