『じゃあ俺帰るわぁ~』


清水はつまらなさそうにイスから立ち上がる


「じゃああたしも帰るね

光先生も一緒に行こ」


藍葉に引っ張られるように水谷先生も調理室から出て行った



調理室には俺1人。


いつもなら零にメールして、返信が来るまでは仕事をしていた。


たまには電話もしたりして、何もない調理室にいても楽しかった


でも別れた今、調理室に響く音は俺がキーボードを打つ音だけ。



それがこんなにも寂しいものだと俺は知らなかった。


1人がこんなにも寂しいものだと知らなかった。


零に会いたい…


零と喋りたい…


零に触れたい…


って俺はバカか……。


零のために別れたのに、

俺がこんなんじゃ話しにならないだろ…。



それになんかあれば俺に電話してくるはずだ…


…………いや、それはないか…。


アイツはとにかく我慢強い。



頑張らなくてもいい、と言っても


頑張るし、


無理しなくてもいい、と言っても


無理するし、


そんな零が俺に連絡してくるはずがない。


なんで俺はそんなことに気が付かなかったんだ…。


どうしようもないヤツだよ…俺はさ。